「お願い、スイートルームのお客のパソコンを持ち出して」ホテルの同僚の頼みに、トーニーは仰天した。一夜の火遊び中に撮られたあられもない写真を消去したいのだという。客の名はナヴァール・カジエ、フランスの大物実業家だ。メイドとして遠くから眺め、ひそかに憧れていた彼が、破廉恥な行為に及んでいたと知り、トーニーは愕然とした。それでも同僚の懇願に根負けし、嫌々ながら引き受けたものの、パソコンに手をかけた現場を押さえられてしまう。蒼白となった彼女に、ナヴァールは露骨な取り引きを持ちかけた。「君の時間を金で買いたい。断るなら、警察を呼ぶ」。